終身雇用制度が現実的ではなくなり、転職をすることが珍しくない今、日本国内だけではなく、海外へ仕事を求めて海外就職をする方も増えてきています。弊社にも月間ベースでいくと、約40~50名程の方から海外留学やインターンシップ、そして海外就職についてのお問合せを頂いており、とにかく海外に行きたいという人が増えています。
どんどん進むボーダーレス化に伴い、日本だけではなく、海外へ就職をする人も増えてきており、人生の選択肢が増えてきています。そこで今回は、『海外就職をしたいけど、どこから始めれば良いか分からない・・・』という人に向けて、海外就職までのステップを紹介していきたいと思います。

目次
まずは、海外で働く方法を知る!
『海外で働く=海外就職』と思っている方もいるかもしれませんが、実際のところ、海外で働く方法は様々です。いくつか代表的な働き方を紹介していきますので、見ていきましょう。
①ワーキングホリデーで働く
②留学をしながら働く
③インターンシップで働く
④青年海外協力隊で働く
⑤海外で起業する
⑥海外の企業で働く(海外就職)
このように、海外で働く方法は意外に多くあります。そのため、最初から海外就職をするのではなく、ワーホリやインターンシップに行ってみて、海外で働くとはどういうことかをきちんと理解して、海外就職をすると良いと思います。
海外で働くということは、日本での働き方が通用しないことが多々あります。例えば、『空気を読む』であったり、『察して感』という概念が海外ではほぼありません。自分の気持ちは言わなくても理解してくれるというのは日本だけで、海外ではきちんと自己主張しないと『考えがない人』というレッテルを貼られてしまいます。
自分の発言が『正解・不正解』というのは関係なく、発言することに意味があり、また、受動的ではなく、能動的に活動することが求められます。ただじっと待っていても、親切に情報やチャンスはまわってこないので、自分で取りに行く姿勢を持つことが大切です。

では、働き方を一つずつ見ていきましょう。
ワーキングホリデーで働く
『ワーキングホリデー』という制度は、1980年12月に初めてオーストラリアと日本の間で始まりました。そもそも、ワーホリ制度というのは、18歳から30歳の日本国民であれば、協定を結んだ外国に1-2年の長期滞在ビザが降りる制度で、その間は就学、旅行、就労といったような生活する事を許可された非常に貴重な制度です。現在では、20ヶ国もの国とワーキングホリデー制度の協定を結んでいます。

ワーホリの留学先として一番人気はオーストラリアです。経済の中心地の『シドニー』、世界的ビーチリゾートがある『ゴールドコースト』、近代都市と自然が絶妙なバランスの『ブリスベン』など、魅力的な都市が多くあります。
オーストラリアの都市別情報を確認するには、この記事を参考にして下さい。

留学をしながら働く
これは、ワーホリの一部のようなイメージです。ワーホリ制度を利用すれば、就学、旅行、就労ができますので、午前中は語学学校で英語を勉強し、午後からはカフェでアルバイトをしたりすることができます。『ワーホリはアルバイト、インターンシップはフルタイム』のようなイメージをすると分かりやすいです。
国によっては、ワーホリ制度を利用せず、学生ビザで語学留学をしながらでも、働くことはできます。
学生ビザは、本業が学業なので、働く時間に制限はあります。

インターンシップで働く
海外インターンシップは、現地の企業にスタッフの一員として基本的にフルタイムで働くことです。ワーホリとイメージ的には似ていますが、元々ワーホリというのは、制度の一つなので、ワーホリとインターンシップを区別するというよりも、ワーホリは、就学、旅行、就労ができ、また参加できる国が決まっているということです。なので、ワーホリ制度を使い、オーストラリアでインターンシップをするということも、もちろん可能です。
一方で、インターンシップの場合は、基本的にどの国でも参加可能です。特に人気がある国は、『マレーシア』でのインターンシップです。日本からの移住先として、15年連続No1を誇り、圧倒的な住みやすさ、そして滞在コストも安いため、長期滞在も可能です。
東南アジアの中で、次に先進国入りすると期待されており、どんどん成長している注目の国です。そんな勢いのある国でインターンシップをすることで、国の成長を肌で感じることもでき、自分自身の成長もしっかりできます。

青年海外協力隊で働く
青年海外協力隊とは、日本政府のODA予算により、独立行政法人国際協力機構(JICA)が実施するボランティア活動です。開発途上国からのニーズに合わせた技術・知識・経験を持って、「開発途上国の人々のために生かしたい」と希望する人を派遣しています。
(1)開発途上国の経済・社会の発展、復興への寄与
(2)異文化社会における相互理解の深化と共生
(3)ボランティア経験の社会還元
応募できるのは20~69歳の方で、日本国籍を持つ人に限られます。募集期間は年2回(春・秋)、活動分野は農林水産、保健衛生、教育文化、スポーツ、計画・行政など多岐にわたり、自分の持っている知識、技術、経験などを生かせるのが、JICA海外協力隊の特徴です。派遣期間は原則2年間ですが、1ヶ月から参加できる短期派遣制度もあります。
海外で起業する
少しハードルは高いですが、海外で就職をするという意味では、自ら事業を立ち上げる事も可能です。流れ的には、海外の企業に就職をして、経験を積んだ後に独立するパターンが一般的です。
最近は、ネットで完結できるサービスも多数ありますので、自分で希望する国、希望する職種、希望する時期を全て決めることができます。好きな仕事だけに集中できる環境は素晴らしいですが、資金面・人脈面などの部分もクリアしていく必要がありますので、バランスを見ながら就職か起業を決めていくと良いと思います。
海外の企業で働く(海外就職)
最後に、海外就職は、実際に現地の企業にスタッフとして就職することです。留学でもワーホリでもインターンシップでもなく、就労することがメインとなります。海外就職には大きく分けて、『現地採用』と『駐在員採用』に分かれています。
<現地採用>
現地の企業が雇用主となります。そのため、待遇面は現地価格になることになりますが、「働きたい国」・「働きたい企業」を自分で選ぶことができます。
<駐在員採用>
駐在員は、基本的に日本国内の企業に採用される形となり、待遇については日本に勤務している時とほぼ変わらないのが特徴です。逆に駐在員手当を貰うこともできますので、海外勤務の形で一番給料面が高いのが駐在員です。

海外就職する国を見つける!
海外での働き方を一通り紹介したところで、実際に働きたい国がピンポイントであれば良いのですが、無い場合は、条件・英語レベルなどの情報をベースに絞り込んでいく方法もありだと思います。
(1)海外就職をしたい条件から選ぶ
(2)必要な英語レベルから選ぶ
大きく分けて、上記3つの選択肢をベースに選んでいくと、希望に合う国が見つかります。
(1)海外就職をしたい条件から選ぶ
選ぶ国により、『待遇・英語を使える環境・インフラ環境・職種』が異なりますので、特徴別に見ていきましょう。
待遇が気になる人は
ある程度しっかり稼ぎたい人は、シンガポールやインドがオススメです。理由としては、就労ビザの条件として、日本人の最低給与が予め高く設定されているため、就職ができれば、『シンガポールは30万円〜、インドは25万円〜』でスタートをすることができます。
業種により若干異なる場合もありますので、あくまで参考までにして頂ければと思います。
英語を使える環境
英語を使って働きたい人は、『マレーシア、フィリピン、インド、シンガポール、台湾、マルタ、アメリカ、カナダ、ニュージーランド、オーストラリア』などは、英語を使って働ける国です。
その中でも、マレーシアは特に人気があります。多民族・多宗教国家のため、英語は公用語でありますが、それぞれの民族で母国語があります。生活のために英語を使っている国なので、ネイティブレベルの英語力は必要ありません。
マレーシアで働くことにより、英語力をレベルアップさせていきながら、それぞれの民族の文化や習慣についても学ぶことができる点が他の国ではできない貴重な経験です。
①多民族・多宗教国家
→様々な人との交流が出来る
→食のバリエーションが豊富
②インフラが整備されている
→コンドミニアムも多く、生活に困らない
→交通手段も問題なし
③物価が安い
→滞在コストが安く済む
④国全体が外国である
→多民族、多宗教の為、英語が公用語である。しかし、母国語ではないので、ネイティブレベルの英語力は必要ない
⑤15年連続で日本からの移住先No1
→医療設備も整っており、長期滞在でも安心
インフラ環境が気になる人
日本の生活レベルからできるだけ落とさずに海外就職をしようとすると、アジアであれば、マレーシア・シンガポール・タイ・ベトナムあたりが良いと思います。これから世界の中心になると期待されるアジアの中でも、これらの国は経済成長の勢いがあり、日本企業も多く進出しています。
職種
海外就職をするために、自分がアピールできる業界や職種から選ぶ方法が一番スムーズに入って行きやすいです。日本でやっていたことを海外でもやるイメージなので、例えば、ホテル業界などは良い例です。サービス内容は万国共通なので、キャリアアップにも繋がります。

(2)必要な英語レベルから選ぶ
一般的な例なので国により最低限必要とされる英語レベルが異なります。もちろん、同じ国の中でも、業界や職種によっては、さらに必要な所と、意外に低くても大丈夫な所がありますので、参考程度にして頂ければと思いますが、
ビジネス〜ネイティブレベルの英語力が必要
アメリカ:ビジネス〜ネイティブレベル(IELTS6.5以上)
ヨーロッパ諸国:ビジネス〜ネイティブレベル(IELTS6.5以上)
オーストラリア/NZ:ビジネス〜ネイティブレベル(IELTS6.5以上)
シンガポール:ビジネスレベル(IELTS6.0以上)
カナダ:ビジネス〜ネイティブレベル(IELTS6.5以上)
日常英会話〜ビジネスレベルの英語力が必要
フィリピン:日常会話初級〜ビジネスレベル(IELTS4.0〜6.5以上)
マレーシア:日常会話中級〜ビジネスレベル(IELTS4.0〜6.5以上)
台湾:日常会話中級〜ビジネスレベル(IELTS4.0〜6.5以上)
香港::日常会話中級〜ビジネスレベル(IELTS4.0〜6.5以上)
日常英会話レベルの英語力が必要
タイ:日常会話初級〜上級(IELTS4.0以上)
インドネシア:日常会話初級〜上級(IELTS4.0以上)
インド:日常会話初級〜上級(IELTS4.0以上)
旅行レベルの英語力が必要
ベトナム:旅行レベル〜日常会話中級(IELTS3.5以上)
カンボジア:旅行レベル〜日常会話中級(IELTS3.5以上)
ミャンマー:旅行レベル〜日常会話中級(IELTS3.5以上)
事前にチェック!海外就職の良くある質問
海外就職の相談を受けていると、ほぼほぼ全員の人がされる質問がいくつかありますので、いくつか代表的な質問例を見ていきましょう。
質問①:就労ビザの取得はどうすればいいのですか?
基本的に就職が決まれば、就職先の企業がビザの申請手続きを行ってくれますので、それに必要な書類を作れば問題ありません。
質問②:海外就職をしたいけど、治安が心配です
日本よりも安全な国は無いと言われる程、日本は治安が良い国として世界的に認知されています。そのため、海外就職だけではなく、留学でもインターンシップでも、旅行でさえも、最低限度のリスク管理はする必要があります。
例えば、
・飲食店で財布やスマホを机の上に置かない(置き引き)
・チャックのないカバンをあまり持たない
・夜間の一人歩きは極力しない
・ズボンの後ろポケットに財布をいれない
などです。
質問③:英語力がないですが、いけますか?
全く英語力が無い人は、まずフィリピン・セブ留学に行くことをおすすめします。セブ留学では、1日8時間以上の英語漬けの環境で勉強をすることができるため、一気に英語力を日常会話レベルまで引き上げることができます。
それ以降は、実際に就職をしてみて、実践環境の場で伸ばしていく方法もありだと思います。

人生を変えたいのであれば、『行動』あるのみ
いかがでしたでしょうか。海外就職をしたい人にとって参考になる記事であれば嬉しく思います。海外就職となると、最低でも2~3年程度は現地に滞在することになります。長いようで、一瞬の間にこの期間は過ぎ去ります。
そのため、海外就職、ワーホリ、インターンシップなどで海外に渡航する場合は、常に帰国後のキャリアを念頭に置きながら、滞在生活を送ると良いと思います。
①語学力を鍛える
②現地事情のスペシャリストになる
③圧倒的にスキルを身につける
④柔軟力・生き抜く力を養う

上記で様々な条件や英語レベルについて説明をしてきましたが、自分が海外就職に向いてるかどうか分からない人は、この記事を参考にして下さい。


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